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可能性に満ちた土地

ヒストリー

叶えられた夢

Mod-Sml

今や世界のビデオゲーム市場に君臨するカプコン。その創業者で、今もCEOとして総指揮を執るのが、ワイナリーオーナーでもある辻󠄀本憲三です。辻󠄀本は、ナパヴァレーのワインを世界の表舞台へ送り出した1976年の「パリの審判」以来、ナパヴァレーに魅了されてきました。

米国での成功を機に、カプコンは、インドア志向になりがちな企業イメージを払拭すべく、ナパ・ヴァレーの南の山間にある470万坪の土地を購入し、アウトドア事業への参入を模索していました。

History-Items

fog fills the valleys

しかし、その計画が頓挫し、宙に浮いた土地を辻󠄀本個人が買い取ったことから、すべては始まります。

ケンゾー エステイトの理念は、
大自然のなかでのワインづくり

Forests blanket the large estate

手つかずの自然が残る470万坪もの広大な敷地。セントラルパークの5倍にも及ぶ土地は、ロサンゼルスオリンピックの馬術競技の練習場としても使われた場所でした。

Leomas Lakes on the property

その恵まれた環境こそ、実は地元のヴィントナーズが羨む葡萄栽培に最適な場所でした。そこで辻󠄀本は、自らの手でワインをつくることに情熱を傾けていったのです。ワイン産業へ乗り出す決意をした辻󠄀本憲三は、妻夏子とともに、ロバート・モンダヴィや様々な地元ワイナリーとの交流を深め、ワインづくりの知識を学び、将来的な展望を描いていきました。

vineyard groundbreaking on Kenzo Estate

1998年、大規模な掘削工事によって地盤が整えられ、翌1999年には、数種のボルドー品種の苗が植えられていったのです。その2年後、初収獲を迎えますが、そのヴィンテージがリリースされることはありませんでした。

Horses still live on the Kenzo Estate property
Vineyard Manager David Abreu prunes the vines

開墾から3年、初めて葡萄の収穫に成功した2001年に、皮肉にも、辻󠄀本憲三は自らの運命を変えるひとりの男と出会います。数多のカルトワインの葡萄栽培を手がける栽培家デイビッド・エイブリューです。

An early image of just-planted vineyard on the estate

完璧主義者であるエイブリューが辻󠄀本に突き付けたのは、「今植えられている14万本の葡萄樹をすべて引き抜き、畑をゼロから作り直す」という無謀な条件でした。しかしこれが、ワインづくりで頂点を極めるか否かの分岐点となるのです。

「ワインもゲームと同じで、必要不可欠なものではない。だからこそ、一番いいものでなければ見向きもされない」。それが、辻本憲三の信念です。エイブリューの条件を受け入れるのに躊躇いはありません。2002年、一から新たな畑づくりが始まります。土を掘り返し、大小様々な石を徹底的に取り除き、緻密な計算の下、畑が細かく区分けされ、それぞれに最適な品種の苗木が等間隔に植えられて、新しい畑が誕生しました。

「私の望みは、世界最高峰のワインを作ること」  辻󠄀本憲三

2003年、辻󠄀本憲三のチームに欠かせないもうひとりのキーパーソン、ハイディ・バレットが加わります。ワインの女神と称される世界屈指のワインメーカーである彼女が手掛けるワインは、入手困難で、かつエレガンスを極めるナパヴァレーのカルトワイン。辻󠄀本夫妻はそんなバレットのエレガントで芸術的とさえいえるワインメーキングに惹かれます。そんな夫妻の思いを受け、バレットもまた、チームに加わりました。類まれなる才能が結集し、世界最高峰のワインをつくる準備が、遂に整ったのです。

kenzo

様々な苦難を乗り越え、遂に2005年、ケンゾー エステイトは、初収穫の日を迎えます。摘み取られた凝縮感のある果実は、15年もの歳月をかけて辻本が歩んできた道が正しかったことを証明しました。ここから醸造工程を経て、フレンチオークの樽で20ヶ月間熟成させ、さらに瓶詰めした後、約1年の熟成を終えて、ようやくケンゾー エステイトのワインが誕生するのです。

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2008年、東京の帝国ホテルで、ケンゾー エステイトのファースト・ヴィンテージを披露するパーティが行われました。ラベルデザインは国際的に活躍するグラフィックデザイナーの八木保。この日、発表された「紫鈴」「紫」「藍」の芳醇で、深みとしなやかさを併せ持つ味わいに、一躍ケンゾー エステイトは脚光を浴び、このファースト・ヴィンテージはリリース後、瞬時に完売となったのです。

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2009年、念願の醸造施設やケイブが、ようやく完成します。これによって、ケンゾー エステイトは、葡萄栽培からワインづくりまでの全工程を敷地内で行えるようになり、100%自社製造の優良なワインに与えられる「エステイトボトル」の称号を得ることとなったのです。その後、テイスティング棟が完成し、ビジターを迎え入れる準備が整います。

Marc

同年、ハイジ・バレットのケンゾーエステイトのワイン作りを助ける、エステイトワインメーカーのマーク・ネインズがチームに加わります。

「この唯一無二の特別な土地を、
世界中のお客様と分かち合うことが夢でした」  辻󠄀本憲三

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ケンゾー エステイトは、2010年7月1日、グランドオープンの日を迎えます。辻󠄀本憲三・夏子夫妻の晴れやかな笑顔のもとには、エイブリューやバレットらチームの仲間たち、親しい友人や大切なゲストが大勢集まりました。しかし、辻󠄀本夫妻にとって、この記念すべき日は、喜びに溢れるだけの日ではありません。これから何世代、何百年と続けていくワイナリーの始まりを強く意識し、お互いの覚悟を確認し合う一日となったことでしょう。

2016年、辻󠄀本憲三・夏子夫妻は、ケンゾー エステイトのワインと本格的な日本料理を提供するレストランをナパにオープンさせます。妻の夏子は、ワインテイスティングができるレストランを展開し、プロデューサーとしての手腕を発揮して、成功の一端を担います。ミシュラン1つ星を獲得したケンゾー ナパレストランは、外食シーンでも注目を集めています。

2019年、ケンゾー エステイトは、老舗メディア「ボンフォーツ゚・ワイン&スピリッツ・ジャーナル」にて、栄誉ある世界のトップ100ワイナリーのひとつに輝きます。辻󠄀本憲三が目指す世界最高峰のワインづくりは、今、着実に具現化しつつあるのです。